JOURNAL
自然を映し出す和紙壁紙 ―KOZO Ⅵー
先日、株式会社トミタ様の新作和紙壁紙コレクション「KOZO Ⅵ」の発表会に伺いました。
発表会では、トミタオリジナルの和紙壁紙がどのように生み出されているのか、その背景にあるストーリーを伺うことができました。
特に印象的だったのは、鳥取の和紙壁紙工場での取り組みです。そこでは、約10名の職人の方々が毎月一度、デザイン試作会を開催し、それぞれのデザインアイデアを持ち寄っているのだそうです。「もっと良い和紙壁紙をつくりたい!」という熱い想いを込めて、職人の皆さんがプレゼンを行い、試作と検討を重ねていらっしゃいます。そうして生まれたデザインが採用され、製品として世に送り出される――
自身のデザインが製品化され、見本帳に掲載されると、職人の方々はとても喜ばれるのだとか。ものづくりにかける熱意と、それを尊重し支える企業風土に深く心を打たれました。
また、会場ではトミタ株式会社の富田社長と直接お話させていただく機会にも恵まれ、新作発表に至るまでの想いや、和紙壁紙にかける情熱についても伺うことができました。社長の穏やかなお人柄の奥にある、ものづくりへの強い信念をひしひしと感じました。
見本帳を眺めているだけでは知ることのできない、和紙壁紙が誕生するまでの奥深いストーリーを知ることで、トミタの和紙壁紙に対する関心と理解が一層深まりました。色の濃淡による柔らかなグラデーション、時に力強さを感じさせる色づかい、そして四季折々の風景を想起させるラインナップには、日本の自然の美しさが息づいています。味わい深く、奥行きのある世界観が、そこには広がっていました。
なかでも「朝霧」という和紙壁紙には、思わず目を奪われました。山に囲まれた地方で育った私にとって、どこか懐かしさを覚える一枚です。凛とした朝の空気の中、朝霧に包まれながら、太陽の光でうっすらと浮かび上がる山の緑。その柔らかな濃淡までが再現されたような美しい壁紙で、パネルの前に立つと、少し冷たく澄んだ朝の空気が肌に感じられるようでした。
伝統技術を守りながらも、新たな発想を取り入れて進化し続ける企業姿勢に感銘を受けるとともに、和紙の持つ可能性と魅力を改めて実感する、大変有意義で学びの多いひとときとなりました。
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